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「在宅療養を支える 医療との連携」医師編

「在宅療養を支える 医療との連携」医師編

2月20日(金)11:00~

医療法人醫王会(えいおうかい) 緑の街診療所 鈴木研一先生

「在宅における医療と介護の連携を考える」と出してインタビューしました。

 

先生は救急医として長く勤務され2000年に在宅診療を始められました。

在宅診療医としての思いを熱く語ってくださいました。

 

また、わたくしたち介護職が何を学ばなければならないか

ということもお考えを聞かせてくださいました。

 

[1]介護職は人の命や人生に関わっていることに誇りを持ってください

[2]医療に関して勉強してください

 

ということを強く話してくださいました。

先生のお話しを要約して掲載します。

「他職種の質が問われる在宅ケア」

大熊

先生は在宅における医療職と介護職の連携についてどうお考えですか?

大熊

担当者会議では利用者にかかわる皆さんのお話が聞ける場です。

医療職の方が参加される会議では利用者の医療需要が高いわけですが、介護職には何が求められているのでしょうか?

鈴木先生

他職種連携の次の時代ということを考えると、いくつかの職種が在宅ケアという同じ土俵の上で同じ目標を持って効率よく活動するためには、共通言語の理解が不可欠です。これまでに医師や看護職は、介護職に対してより理解のできるような言葉を使いや出来るだけきめ細かな説明をするなどの努力をしてきたと思いますが、これからは、介護職自らがより共通言語を理解する努力や工夫をするようにならなければなりません。そうでなければ、いつまでたっても介護職の社会的立場を確立することが出来ません。

大熊

利用者の身体状況の把握においては既往症や現在抱えている病気もありますが、何が問題になるのか理解するにも知識がなければ考えられないわけですね。

鈴木先生

介護認定は医師意見書からスタートします。すなわち、我が国の介護保険制度では「医療の必要性のない介護はない」のです。

そして、高齢社会における医療制度の変遷を考えていくと、介護保険制度が創設された平成12年頃と比較すると、現在の在宅ケアの現場には医療需要が高まっています。介護職にも今まで以上に医療の知識が必要となります。

大熊

介護職も身体介護技術・家事支援・対人援助技術と広範囲の研修を受けますが、これからは医療知識についてもより学ぶ機会を増やし在宅支援をする必要がありますね。終末期の利用者が亡くなられた後にケア者全で話したことは、みんなが同じ方向を向いてケアしていたね。ということでした。自分たちの役割を果たせたようで、うれしかったです。

鈴木先生

医療はサイエンスであり、アートでもあります。医療と密接な関わりを持つ介護も、思いやりや優しさだけで務まらない時代を迎えました。サイエンスしての客観的知識と判断力を備えた介護が求められています。そのためのスキルアップが介護職にも必要です。そして、介護職の方々も、人間の生命や人生に関わることに誇りと責任を持てるのです。

大熊

最後に在宅医についてのお考えをお聞かせください。

大熊

今日は身の引き締まる思いでした。今後ますます医療需要が高まる在宅ケアについてしっかり準備していく事が介護職に求められていることを確認しました。

ありがとうございました。

平成27年3月10日

インタビュー 大熊 薫

鈴木先生

種々の研修会やサービス担当者会議・在宅ケア連絡会などのさまざまな工夫によって、これまで各方面で重要視されていた「顔の見える関係」は概ね構築されているように思います。他職種連携は、次の段階に入るべきだと思います。

鈴木先生

医療の側面から考えてみると、最近では多くの在宅医という人たちが関わってきていますが、私は長年医療を担ってきた結果として在宅医療にたどり着いたお医者さんを在宅第一世代と呼んでいます。一方で国は家庭医や総合診療医などの養成に力を入れようとしていますが、在宅医療というのは、奥が深く幅広い医学的知識と経験、そして何より豊かな社会性が不可欠です。在宅医療にも質が求められています。

特に在宅での看取りは、「助けない」「何もしない」という取り決めで在宅療養を行うわけですが、これは「助けられない」「何もできない」という意味ではありません。本来の在宅での看取りは、「助けられるお医者さん」「何でもできるお医者さん」が、「助けない」「何もしない」ことに携わるべきだと思います。

【インタビューを終えて】

 

【1】医療知識を持つ

研修で基本的な医療知識を学ぶ

 

[1]日常の観察・・・ポイントを押さえる

 

<利用者の身体状況>

病歴から日頃観察するポイントをつかむ

正常値の把握 → 知識

本人の状態把握 → 利用者の理解

昨日との比較 → 変化に気づく

予測する → このままで良いか悪いか

[2]緊急時の対応・・・変化に気づき素早く適切な対応

 

知識を得る事、繰り返し学習する事、観察ポイントをチェックすることで慌てないで対応することができる。

【2】介護の質を上げる

 

[1]事業所としての考え方

[2]個人のスキルアップ

【まとめ】

今後ますます在宅において医療要素の高い方と接する機会は増えていくと思われます。末期の方や、医療要素の高い方専門のケアマネージャーもいます。

本物の質の高い介護職が求められるようになり、良い意味で差別化さて行くでしょう。わたくしたちは誇りと自覚を持って、知識を増やし技術を高めていく必要があります。

そのことが医療との連携がスムーズになると考えます。

ケアマネージャーが主催する担当者会議では利用者に関わる全ての人が集まります。顔の見える関係はまず第1歩できています。

よりスムーズな連携をするには、先に記述した日常生活を医療の面から介護職も見ることが必要になっています。

そのためにも事業所では学習会・研修会をして一人一人のスキルを上げる必要があります。

そしてそのスキルを持って、利用者に寄り添い暖かい人格を持った介護職を目指したいと思います。

信頼でつながるということは、かかわったすべての人が「この選択で良かった」と思えることだと今回の鈴木先生のお話しを伺って思いました。

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